歴史の教科書に載っていた、あの絵画がここに
2020年10月1日
聖徳記念絵画館の壁画は80点、嘉永5(1852)年の明治天皇誕生から大正元(1912)年の崩御まで、順を追って描かれています。前半の40点が日本画、後半40点が洋画です。それぞれ約縦3mにも及ぶ大きさで、厳密な時代考証に基づいて描かれたため、非常に時間を要しました。建物が出来上がったときには、壁画はわずか5点しかなく、すべてが完成するのにさらに10年かかりました。絵は統一性があるよう見えますが、1点1点別の絵師によって描かれ、その内容にゆかりのある個人や団体によって奉納されました。例えば『江戸開城談判』の絵は、勝海舟と西郷隆盛それぞれの孫が折半で奉納しています。幕末から明治の激動期の政治・文化・風俗の貴重な資料ともなっていて、重要な史実が、丁寧な解説とともに、手にとるようにわかります。

「大政奉還」慶応3(1967)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:邨田丹陵

「江戸開城談判」明治元(1868)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:結城素明

「即位礼」明治元(1868)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:猪飼嘯谷

「富岡製糸場行啓」明治6(1873)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:荒井寛方

「枢密院憲法会議」明治21(1888)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:二世・五姓田芳柳

「ポーツマス講和談判」明治38(1905)年(聖徳記念絵画館蔵)
画:白滝幾之助
聖徳記念絵画館
住所 | 東京都新宿区霞ケ丘町1-1 |
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電話 | 03-3401-5179 |
休業 | 無休(都合により臨時休館あり) |
時間 | 9:00~17:00(入館は~16:30)(都合により時間変更あり) |
料金 | 500円(施設維持協力金) |
交通 | JR中央本線信濃町駅から徒歩6分 |
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