おさんぽブログ
新進アーティストを支援する現代のアートアウォード「TERRADA ART AWARD 2025」のファイナリスト展が、天王洲 寺田倉庫にて開催中。ファイナリスト5組の新作に会いに行こう!
2026.1.22
天王洲を拠点に美術品の保管事業をはじめ、地域と連携してアートを通じたまちづくりなどにも取り組んでいる寺田倉庫。その寺田倉庫が主催する「TERRADA ART AWARD」は、世界を舞台に活躍する新進アーティストの輩出を目的とした現代アートアウォードで、現代アートに関する深い見識を持つ11名の審査員により、国内外から寄せられる多くの応募者の中からファイナリストが選出されます。そして、「TERRADA ART AWARD 2025」では黒田大スケ氏、小林勇輝氏、是恒さくら氏、谷中佑輔氏、藤田クレア氏の5組が選ばれました。
「TERRADA ART AWARD 2025」ファイナリストに選ばれた5組。
「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」では、この5組のアーティストたちが応募時に提出した展示プランをベースに創り上げた作品が並びます。それぞれの異なる視点から制作された作品には実にさまざまな世界観があり、現代アートの楽しさや奥深さ、魅力を教えてくれます。「TERRADA ART AWARD 2025」のファイナリストと作品の一部をご紹介します。
黒田大スケ(DAISUKE KURODA)
「鳥の空間」(ビデオ作品)ほか
「彫刻とは何か?」を映像で表現
「彫刻」についてリサーチをした上で、その対象とした彫刻家を自ら演じた映像作品を展示。顔にアートを施し、即興で彫刻家を演じたという映像作品は何とも不思議な世界です。「彫刻」について深く知らなくても、十分に楽しめます。また、映像は作者が制作した『ヘルメットヘッドバードいす』に座って鑑賞できます。
黒田大スケ氏の作品スペース。
Artwork by Daisuke Kuroda, Photo by Keizo KIOKU
小さな彫刻やデッサンが並ぶ作品「彫刻家のテーブル」。Sculptor's Table by Daisuke Kuroda(2025), Photo by Keizo KIOKU
黒田大スケ氏(広島市立大学大学院博士後期課程修了(彫刻))。
小林勇輝(YUKI KOBAYASHI)
「詠春拳プロジェクト」
パフォーマンスとアートの境界
約300年前以上に中国南部で創設された武術「詠春拳」を起点とした学際的パフォーマンス作品。数年に渡り、香港、中国、日本で鍛錬やリサーチ、交流を重ねてきた作者が、自らの身体を使って表現します。自作した武術の鍛錬に使用される道具も必見です。また、会期中は公開稽古も行われおり、迫力ある武術を体験できるチャンスです。
小林勇輝氏の作品スペース。
Artwork by Yuki Kobayashi(2019 -), Photo by Keizo KIOKU
迫力ある武術パフォーマンスがアートとなる。
小林勇輝氏(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート修士修了)。
是恒さくら(SAKURA KORETSUNE)
「空想玩具」
鯨由来の素材の作品で、人と自然の関わり伝える
国内外で人と鯨の関わりを探究してきた作者が、鯨由来の素材を使って制作。かつてはさまざまな道具として活用されながら、現代では消えゆく素材と技術を如何に残していけるかを模索したという作品の数々からは、人と自然の関わり方のヒントも見えてきそう。環境変化の問題が叫ばれる現代において、いろいろ気付きがあるアートです。
是恒さくら氏の作品スペース。
SAKURA KORETSUNE by SAKURA KORETSUNE(2015 - 2025), Photo by Keizo KIOKU
鯨由来の素材を使用している。Artwork by Sakura Koretsune, Photo by Isao Negishi
是恒さくら氏(アラスカ大学フェアバンクス校卒業(BFA)、東北芸術工科大学大学院修士課程修了)。
谷中佑輔(YUSKE TANINAKA)
「迷走の作法」ほか
彫刻であり、楽器であり、さまざまな顔を見せる作品
スペースの中央に設置された作品「迷走の作法」は、3名で演奏することができます。雅楽で使用される和楽器「笙(しょう)」をイメージさせる不思議な楽器であると同時に、彫刻でありインタラティクティブな作品というユニークさがあります。形や色だけではなく、音色もまたアートにとって重要な要素であることにあらためて感動します。
谷中佑輔氏の作品スペース。
Artwork by Yuske Taninaka, Photo by Keizo KIOKU
「迷走の作法」は、3名揃って演奏が成立する。Vagus Practice by YUSKE TANINAKA(2025), Photo by Keizo KIOKU
谷中佑輔氏(京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業、HZTベルリンsolo/Dance/Authorship修了)。
藤田クレア (CLAIRE FUJITA)
「Reaction ~ver. Dionaea muscipula~」ほか
ハエトリソウが動力となる魅惑の装置
これまでも、自然由来の素材と動力的な装置を組み合わせた作品を制作してきたという作者。今回展示されている「Reaction ~ver. Dionaea muscipula~」は、ハエトリソウが口を閉じる時に発信される信号でレコードを動かすという装置です。本来ならば虫を食す時だけ口を閉じるハエトリソウを人工的に反応させ続け、音楽を楽しむという一方的な人と植物の関係性を表しているのだとか。この作品から実際に音は出ませんが、見ていると何かしらの音楽、あるいはハエトリソウの声が聞こえてくるようです。
藤田クレア氏の作品スペース。手前の作品が「Reaction ~ver. Dionaea muscipula~」。
Photo by Keizo KIOKU
Reaction ~ver. Dionaeamuscipula~ by CLAIRE FUJITA(2025)
生殖をテーマにした作品「Auto-Pollination」は、ユリの造花を使用。
Auto-Pollination by CLAIRE FUJITA(2025)
藤田クレア氏(東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了)。
個性的な作品と出会える「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」は2月1日(日)まで。入場は無料です。この機会に、ぜひ現代アートの魅力にふれてみませんか。
また、寺田倉庫では、只今「ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展」を開催中(3月15日まで)。そのほか、広々としたカフェスペースと共に、未来を担うアーティストによる現代アート作品を楽しむことができる「WHAT CAFE」もあります。「TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展」とあわせて、ぜひ立ち寄ってみては。
TERRADA ART AWARD 2025 ファイナリスト展
| 開催場所 | 天王洲 寺田倉庫 G3-6F |
|---|---|
| 住所 | 東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫G号MAP |
| 開催期間 | 2月1日(日)まで ※会期中無休 |
| 時間 | 11:00~18:00(最終入館 17:30) |
| 料金 | 無料 |
| 交通 | りんかい線天王洲アイル駅B出口から徒歩4分、東京モノレール天王洲アイル駅中央口から徒歩5分 |
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